学部長メッセージ

子ども教育学部 学部長 塩見知利

子ども教育学部 学部長 塩見知利
専門分野:幼児の造形、幼児の造形発達、美術教育

平安女学院大学はキリスト教の精神を基本として理論と実践を両輪とした伝統のある大学です。

子どもたちを育て、育むには子どもというものをよく知らなければなりません。少子化が急激に進む中、子どもと触れ合う機会も随分と少なくなっているはずです。赤ちゃんの脳の中ではどんなことが起こっているのでしょう。目はどのぐらい見えているのでしょう。筋肉はどんな発達をしているのでしょう。近年どんどんそうした事柄が明らかになってきています。今まで経験でしかわからなかったことが、多くの科学者によって解明されてきているのです。幼児は2歳頃になると急速に言葉が増えてきます。生まれてわずか3年でほぼ生活に関する言語は身についてきます。そして、小学校に入るころにはほぼ人間としての基本的身体が出来上がります。驚きますよね。このような疑問を学び、解決しながら教育の基本理論を学ぶのは、とても楽しいことです。

そして、こうした発達の理解の基で、保育・教育内容の実践が始まります。実際に子どもたちと触れ合い、実際の子どもたちを観察したり、教壇に立ったりしながら自分も成長していってください。自分の持っている感性を十分に使って、子どもたちのすばらしさに気づいてください。保育や教育はけして型にはまったものではありません。目の前の子どもの行動や発言をもとに臨機応変に対応することが求められます。そのためには心にゆとりがなくてはなりません。大学ではできるだけ積極的に経験の種類を増やしてください。自分の感性を信じて、失敗をしながらも、恐れないで挑戦していく過程で、楽観性は育っていきます。大学には多くの研究者や専門家がおります。皆さんの興味関心を育ててくれる人たちがいます。積極的にコミュニケーションをとってみてはどうでしょうか。きっと豊かな学生時代が訪れると思います。